ミュンヘン【ドイツ2019-⑦】

円形神殿。柱はイオニア式
目次

はじめに 

ドイツ旅行7日目の行程は、終日ミュンヘン観光です。
旅の基本情報、全体の旅程などはドイツ旅行導入を参照してください。

この日の目的はミュンヘンの美術館、アルテ・ピナコテークへ行くことです。次の日にミュンヘン空港から日本へ帰ります。

イギリス庭園

イギリス庭園。騎馬警官が巡回する
イギリス庭園。騎馬警官が巡回する

美術館は11時開館だったため、まずはミュンヘンといえばな公園、イギリス庭園へ行ってみました。イギリス庭園は総面積3.7㎡の非常に大きな公園で、NYのセントラルパークよりも広大な面積を持ちます。

小川が網目のようにめぐる公園では、そこかしこで散歩やランニングを楽しむ人の姿が見られます。小川の出発点には人工的に波を発生させる装置があり、そこではサーフィンを楽しむことができます。

橋からの眺め。木漏れ日が美しい
橋からの眺め。木漏れ日が美しい

公園は市街の中心地から北へ向かって伸びる、細長い形をしています。中心地の宿に泊まったわれわれは南から入り、中央あたりにある「中国の塔」を目指します。

木々が鬱蒼とする道を抜けると、ボール遊びや犬のフリスビー遊びをしている人が大勢いる広場に出ました。丘の上にロマン主義の風景画に見られるような、ギリシア風の神殿を見つけました。

円形神殿。柱はイオニア式
円形神殿。柱はイオニア式

17-18世紀に懐古趣味が流行ったとき、西洋の庭園には古代ギリシア・ローマ時代の神殿風の建物が設置されました。実用的な目的というよりは、風景の一部として楽しむためです。そのころは廃墟が美しいという考えもあったため、わざと一部を壊した遺跡風の建物が設置されることもありました。廃墟美については、廃墟はなぜ美しいのかを参照してください。

円形神殿の天井
円形神殿の天井

イギリス庭園にある円形神殿は、飾りの目的だけではなく、きちんとした神殿でもあるようです。丘へ登ると、日向を求めて屋根の下で休憩している人が大勢いました。眺めがよく、ミュンヘン市内の聖堂の塔が見えます。神殿の天井には壮麗な装飾も施されていました。

さらに公園の奥へ進むと、いよいよ中国の塔が見えてきました。この塔も神殿と同じように、庭園の景観を良くする目的を一つとして建てられています。中国の塔の周りはたくさんのテーブルとベンチが設置されており、いつでも好きにビールを飲めるようになっています。ここはミュンヘンで2番目の規模を誇るビアガーデンで、18世紀から市民の憩いの場となっています。

中国の塔
中国の塔

午前中に行ったので人がまばらでしたが、ビールスタンドは既に営業しており、ここでビールを一杯飲んで休憩しました。

近くの席で地元の人と思われるおじいちゃんがビールを飲みながら煙草をふかしていました。そこへ別のおじいちゃんが現れ、携えていた木の何かを開きます。なんと、レトロな携帯式のバックギャモンでした。おじいちゃん2人はビールを飲み、サンドウィッチをつまみながらゲームを始めます。

アルテ・ピナコテーク

国立美術館、アルテ・ピナコテーク
国立美術館、アルテ・ピナコテーク

イギリス庭園を通る市営バスに乗り、アルテ・ピナコテークへ行きました。田舎のバスとは異なり、運転手さんから切符を買うのではなく車内にある自動券売機で買わなければならないので、ちょっと面倒です。

アルテ・ピナコテークは世界で最も古くからある美術館の一つで、ドイツの絵画のみならずイタリア、フランス、オランダ、スペイン等の世界的に有名な絵画が所蔵されています。画家の例を挙げると、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ボッティチェリ、ヒエロニムス・ボス等です。

アダム・エルスハイマー《エジプトへの逃避》1609年、アルテ・ピナコテーク所蔵。
アダム・エルスハイマー《エジプトへの逃避》1609年、アルテ・ピナコテーク所蔵。「エジプトへの逃避」は風景画というジャンルが確立していなかった時代に、宗教画と見せかけて風景を存分に描ける主題でもあった。

アルテ(古い)・ピナコテークの向かいにはノイエ(新しい)・ピナコテークがあります。しかしよく見ると張り紙があり「ノイエ・ピナコテークは改修工事のため、数年間閉館します」…数年間っていつまで?笑 残念です。

改修中、作品の一部はアルテ・ピナコテークに移動されているので、ノイエ・ピナコテークで見られるはずだった有名絵画を、アルテ・ピナコテークで見ることができます。中世後期の絵画も見ることができ、楽しかったです。

美術館は広いので、中にあるカフェで休憩しつつ回るのも良いです。紅茶が50種類もあるカフェで、そこでお昼ごはん代わりにケーキを食べました。

マリエン広場

大勢の人でにぎわうマリエン広場。ゴシック様式の建物は市庁舎
大勢の人でにぎわうマリエン広場。ゴシック様式の建物は市庁舎

アルテ・ピナコテークと他の小さな美術館を回った後、市庁舎があるマリエン広場へ行きました。この広場から伸びるノイハウザー通りは市で一番の繁華街で、歩行者天国になっています。ここでお土産を買い、夕食を食べました。

19時になるころ、広場の人たちが市庁舎の時計に注目しはじめました。よく見るとからくり時計になっています。しかし19時になっても動きませんでした。どうやら毎時動くというわけではなく、動く時間が決まっているようです。

その後、前日と同じ宿に戻り、日本へ帰る準備をしました。

おわりに

ドイツ旅行7日目は、ミュンヘン散策でした。

ミュンヘンは当初素通りする予定でしたが、旅行日を1日増やせることになったので観光する時間を取りました。美術館は一見の価値ありですし、繁華街では活気あるミュンヘンの雰囲気を感じられて面白かったです。

旅のまとめ

今回は以下2つの目的をもって旅行しました。

  1. ケルン大聖堂とマウルブロン修道院を訪れること
  2. ドイツの自然を堪能すること

目的を果たせたうえに、素晴らしい経験をたくさんできました。

ドイツは歴史があり、自然も美しく、様々な楽しみ方ができる国でした。鉄道が整備されていますし、主要な観光地にはツーリストインフォメーションセンターがあるため、旅行者に優しい印象です。そして今までの記事で書いてきた通り、たくさんのドイツ人の方が旅を助けてくれました。

以上でドイツ旅行についてのブログは終わりです。

初めての試みでしたが、反応をくださった皆様、ありがとうございました。自分でも書いていて楽しかったので、機会があればまたこのような旅ブログを書きたいです。

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