シュトゥットガルト→ローテンブルク【ドイツ2019-④】

ローテンブルクの町並み。市庁舎の塔の上から
目次

はじめに 

ドイツ旅行4日目の行程は、下図オレンジ線の通りです。
シュトゥットガルトを出発し、ローテンブルクに泊まります。
旅の基本情報、全体の旅程などはドイツ旅行導入を参照してください。

この日の目的はローテンブルク観光です。

移動手段と所要時間は以下の通りです。

出発地到着地移動手段所要時間
シュトゥットガルト
Stuttgart
ローテンブルク
Rothenburg ob der Tauber
鉄道3H

ローテンブルクという名の町はドイツ内にいくつかあり、今回行くのは中世の面影が残る町として有名な「タウバー川を望むローテンブルク」です。

シュトゥットガルトからローテンブルクまでは、2回乗り継ぎしました。乗り継ぎ駅はAnsbachとSteinachです。ローテンブルクは田舎にあるので、どこから行くにせよ、Steinach駅で2車両しかない小さな電車に乗り換えなければならないようです。(次の日もSteinach駅経由で次の町へ行きました)

シュトゥットガルトからローテンブルクへ

これまで30分以上の遅延にはひっかからずに来ていたのですが、この日は朝から電車が大遅延です。予定より1時間ほど遅れて電車が発車しました。遅延により乗り継ぎもうまくいかなくなったため、予定では11時にはローテンブルク駅に着くはずでしたが、14時に着きました。

ローテンブルク・オプ・デア・タウバー駅。プラットホームが1つだけの小さな駅
ローテンブルク・オプ・デア・タウバー駅。プラットホームが1つだけの小さな駅

とはいえ急ぐ旅ではないので、その日のうちに目的地に辿りつけばよしです。

ローテンブルク周辺はのどかな田舎です。車窓から見える景色は耕作地ばかり。遠くのほうには、現代的な風車が並んでいるのも見えました。朝にプレッツェルを買っておいたので、途中で電車を待ちながら食べました。

ローテンブルク

都市の基本情報

ローテンブルクの町並み。市庁舎の塔の上から
ローテンブルクの町並み。市庁舎の塔の上から

ローテンブルクは1274年に神聖ローマ帝国の自由都市に指定されました。自由都市とは、中世期の都市に典型的な、自治権を持つ都市のことです。

中世期における都市の中心には必ず市民が集まる広場あり、広場周辺には市庁舎と教会、市民が水を汲むための噴水があります。西洋都市の広場は古代ギリシア、つづくローマ帝国時代からのなごりです。

都市は防衛のため町全体を市壁で囲っていました。そして夜間にはすべての門を閉ざし、町への出入りを禁止していました。市壁の周囲に堀がある都市の場合には、跳ね上げ橋もあげました。

そのため、閉門時間に間に合わなかった旅人は市壁の外で不安な一夜を明かさなければなりませんでした。不安の種は……分かりますよね、人間だけではありません。興味がある方は、異界への入口の「城門」を参照してください。

中心にある広場。黄色の建物は市庁舎
中心にある広場。黄色の建物は市庁舎

もちろん、現在は夜でも市壁内へ入れます。旧市街へ入り、今日の宿を探します。そう、今日の宿は旧市街のなかにあるのです!!(楽しみ)

宿へ

今日の宿は、1階で土産物屋を経営している若夫婦の家でした。通りに面した、2階の素敵な部屋に案内されます。

主人「怖がらないで。今から壁をつたっている葡萄の葉を切るからね」

しばらくすると、窓の外にはしごの上で作業するご主人の姿が。Booking.comの情報によると今日の宿では洗濯ができるそうなので、奥さんに尋ねてみます。

私「洗濯をしたいのですが」
奥さん「いいわよ。このかごに洗濯物を入れておいて。私が洗濯しておくから。だって、ほら、分かるでしょ。洗濯室はとても見せられる状態じゃないのよ……」

明日までに乾くか心配でしたが、乾燥機があるから大丈夫とのこと。ありがたい。洗濯代は5€でした。

宿の部屋。窓は目抜き通りに面している
宿の部屋。窓は目抜き通りに面している

ご主人にローテンブルクの見どころを教えてもらい、観光に出発しました。私は都市の市壁歩きが好きなのですが、聞き間違いでなければ、解放されている市壁の端から端まで歩くと、4kmあるとのことでした。それを聞くだけでも、ローテンブルクがかなり大きな都市だったことが分かります。

旧市街を散策

市庁舎の塔の上から。町の横に広がる森も見渡せる。遠くには現代的な風車が並んでいる
市庁舎の塔の上から。町の横に広がる森も見渡せる。遠くには現代的な風車が並んでいる

まず町で一番高い、市庁舎の塔に上ってみました。螺旋階段をのぼりきったところで入場料を払います。町だけではなく、周辺全体の景色が見られるので、高所恐怖症ではなく、健脚な方にはお勧めです。

ローテンブルクにはいくつかの博物館があり、その中の1つ、手工業者の家へ行ってみました。1270年に建てられた家のなかには、職人の家庭で使われていた道具が展示されています。ただ、当時の家をそのまま再現したというよりは、昔の道具を各地から寄せ集めてみました、という感じでした。一番心躍ったのは、家の中にあった井戸です。玄関のすぐ脇にある井戸で、家の人々はここで手を洗ったのだそうです。

玄関脇の井戸
玄関脇の井戸

その後、教会を訪れたり、お店をのぞいたりしながら、町の西端へ向かいました。ここは城塞公園と呼ばれている木々に囲まれた公園で、タウバー川が流れる渓谷を見ることができます。また、旧市街の眺めも良い写真スポットです。ちょうど夕暮れの時間帯で、西日に照らされる家々が美しかったです。

城塞公園から見た旧市街
城塞公園から見た旧市街

夕食は、フランケン地方のワインが5種類試し飲みできるレストランで取りました。炒めた野菜を牛肉で巻いて煮込んだ、リンダールーラーデという郷土料理も美味でした。

レストランで頼んだ郷土料理
レストランで頼んだ郷土料理

おわりに

ドイツ旅行4日目は、中世の町並みを楽しめるローテンブルクを観光しました。

ローテンブルクへは電車で3時間ほどかかるため、個人旅行で日帰りは難しいかな、という印象です。広場や市庁舎など主要な見どころを回るだけなら半日で足りるかもしれませんが、楽しいのは個人的に、観光客が少ない壁沿いだと思います。要塞や市壁を歩くのもいいですし、西端の城塞公園から旧市街の景色を楽しむのもいいです。そこへ行くならやはり一泊するのがお勧めです。

5日目は、半日ローテンブルク観光をしたあと、ドイツの南端、アルプス山脈麓の町、フュッセンへ行きます。

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