すなば珈琲と倉吉【鳥取/島根旅行2022-②】

倉吉行の電車
目次

はじめに

前回は鳥取砂丘と砂の美術館へ行った話をしました。今回は旅の2日目、鳥取の歴史ある町並みが残る、倉吉へ行った話です。

すなば珈琲

砂丘のイメージを背景に「すなば珈琲」
砂丘のイメージを背景に「すなば珈琲」

鳥取を訪れたらやってみたいことがありました。それは、「すなば珈琲」へ行くことです。

すなば珈琲とは何なのか。その珈琲屋は、鳥取市長の「スタバはないけど”すなば”はある」という言葉から生まれた、知る人ぞ知る珈琲屋です。※2015年まで、鳥取にはスタバがなかった。

ネタ要素の強い珈琲屋なのかと思いきや、珈琲の製法において、鳥取砂丘の砂を用いて焙煎している等、鳥取ならではのこだわりが溢れた珈琲屋です。アイコンは砂丘にいるラクダで、店内にはラクダをモチーフにした、マグカップなどのグッズが販売されています。

モーニング限定のフレンチトーストセット
モーニング限定のフレンチトーストセット

砂丘近くの宿を後にした我々は、バスに乗って鳥取駅までやってきました。駅近くのすなば珈琲で、朝食としてモーニングセットを頼み、ゆっくり過ごします。珈琲は香ばしい香りがして、酸味が抑えめでした。おいしかったです。他の人が仕事に勤しんでいる月曜日の朝から、こんなことができて最高だと思います。

倉吉

倉吉行の電車
倉吉行の電車

鳥取駅から1時間ほどかけて、倉吉駅へ移動します。鳥取に来てから、交通系のICカードを全く使えず、全て現金で払っているのですが、ここで買った切符にはびっくりしました。ななんと、切符の裏が黒くない。つまり、自動改札機を通れないタイプの切符でした。駅員さんに日付のハンコを押してもらって、改札を通ります。こんな体験、人生で初めてしました。

白壁の交番
白壁の交番

朱色のかわいらしい電車に揺られて、倉吉に到着しました。観光地として取り上げられていることが信じられないほど、何もない駅です(失礼)。あとで分かるのですが、島根県の各観光地では、鳥取県と違ってかなり力を入れていて、各県の税収の差を感じました。切ない。駅近くにある観光地っぽいシンボルといえば、白壁の交番くらいでした。

駅から数百メートル離れた場所に、結婚式場が併設されたビジネスホテルがあり、今夜はそこに泊まる予定です。ひとまずそこへ行ってキャリーケースを預けました。ホテルの前にあるバス停から、目的地の白壁土蔵群へ向かいます。少し雨がぱらついてきました。

用水路には魚が泳いでいる
用水路には魚が泳いでいる

着きました!人が全然いません(笑)!とりあえずお腹がすいたので、昼ご飯が食べられそうな場所を探します。

白壁倶楽部
白壁倶楽部

明治41年に建てられた銀行を改装した、「白壁倶楽部」というレストランを見つけました。木造のレトロな店内で、洋食をいただきます。ごはんかパンか選べる式の、本格的な洋食でした。

カツレツ
カツレツ

すなば珈琲でもゆっくりしましたが、このレストランでもゆっくりしました。昨日、砂丘に登ったり下りたり、宿を探す旅に出たり、夜になってまた砂丘を登ったり下りたり、海風に吹かれたりして体力を使ったので、今日は省エネモードです。

ところで、友達と私は去年、「陶芸をやってみたいね」という話になり、電気ろくろの陶芸体験をしました。倉吉にも陶芸体験ができる場所があると、ガイドブックで見たので、そこへ行ってみることにしました。

引き戸を開けて、店に入ると、店内は壁一面に、陶芸体験をしたと思しき人々の写真が貼られていました。しかし、肝心の店主がいません。「所用で席を外しています」という立札が置かれています。すみません、と呼ぶと、障子が動き、畳の間からお爺さんが出てきました。昼寝をしていたようです。商売やる気皆無!

「陶芸体験できますか?」

「はい、はい、できますよ。何をつくりたいですか?」

「コップです」

お爺さんが、私たちに粘土の塊を渡します。そして手本として、ろくろ(電気ではなく手動)を動かしながら、器の形をつくります。お爺さんが尋ねます。

「どこから来たの?」

「関東です」

「そうだろうね。全国旅行割が始まってから、こんな田舎にくるのは都会の人だけだ。鳥取の人はみんな大阪とか都会へ行っちゃったよ」

「ここもコロナ渦になってからお客さんが減りましたか?」

「うん。前は月あたり100人くらい来てたけど、コロナになってからは数人のときもあったよ」

お爺さんの指南を受けながら、私たちも粘土を形づくっていきます。

「窯入れの依頼をするときは、80くらい数が揃わないと出せないんだよ。あなたたちが、次の窯入れに出す予定の最初のお客さんだから、たぶん、出来上がるまでけっこう時間かかるよ」

お爺さんの手により、微調整を入れられて、コップができました。うわぐすりの色を選んで、窯入れをお願いします。出来上がったら、郵送で送ってもらうことにしました。

「今日はどこに泊まるの?」

「倉吉駅近くのビジネスホテルです」

「あー、駅前のホテルといったら○○か××でしょ」

「あはは、××のほうです」

「俺も今日は駅前で飲み会があるんだ。ばったり会ったりしてね」

お爺さんとは他にもいろいろな話をできて、楽しかったです。最後にお爺さんと3人で写真を撮って、店を出ました。私たちが各々支払った2500円が、お爺さんの財布に入れられていたので、今夜の飲み代になるんだろうなと思いました。楽しんでね。

奥の二棟は蔵
奥の二棟は蔵

それから、町並みを見たり、雑貨屋をのぞいたり、酒蔵で(友達が)日本酒を買ったりして、ホテルへと戻りました。倉吉はラーメン激戦区らしいので、夜ご飯はラーメンにしよう、ということになります。Googleマップで調べて、近場のラーメン屋に行きました。

ネギラーメン
ネギラーメン

店内に客は、我々2人だけでした(笑)。本当にみんな、どこへ行ってしまったんでしょう。瓶ビールを一本頼み、2人で分けながらラーメンを食べます。私はネギラーメンが大好きなのでそれを頼みました。おいしかったです。

今日は月曜日なので、100分de名著が放送される日! ということで、ホテルに戻ったあとは、ゆっくりしながら、テレビを観ました。今月は折口信夫の『古代研究』でした。異界からやってくる「まれびと」をおもてなしするために、日本のあらゆる文化が形成された、という考え(仮説)が興味深いです。いつか通しで読んでみたい本ですが、100分de名著関連だと、アリストテレスの『二コマコス倫理学』もまだ読めていません。気長に読んでいきたいと思います。

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おわりに

今回は、倉吉へ行った話をしました。前日にアクティブに活動したので、ゆったり過ごせてよかったです。次回は、足立美術館と玉造温泉へ行った話をします。

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