西洋史を学ぶ– category –
-
輝きに惹かれる人びと
はじめに 以前、西洋における光の文化史において、西洋の中世期の人びとが輝きを放つものを好んでいたと記載しました。 記事を書いた後に思ったのは、輝きに惹かれる者は西洋中世人だけではないということです。例えば現代において、ダイヤモンドはより輝... -
西洋の蹄鉄にまつわる小話
アクセサリー、特にネックレストのモチーフとして「ホースシュー(蹄鉄)」があるのをご存知でしょうか。蹄鉄は幸運を呼び込むシンボルとして知られ、その起源は西洋の土着信仰にあります。「ホースシューhourseshoe」は英語で「馬の靴」という意味です。 ... -
神話や宗教がもつ4つの機能
はじめに 神話と宗教の機能については、以前から考えていたテーマであり、壮大すぎるので考察の余地がたくさんあります。しかし考えはじめて1年は経ったかと思い、このままでは今まで考えてきたことを忘れそうなので、現段階での考えをまとめておこうと思... -
西洋中世期における写本の歴史 – 修道士から都市職人による制作へ
西洋では、15世紀にグーテンベルクによって活版印刷が広められるまで、印刷本は存在しませんでした。つまり、中世期に存在した本は、すべて人の手で書かれた本でした。このような本を「写本」と呼びます。 写本はなぜ、誰によって制作されたのでしょうか。... -
西洋中世期の言葉と文字に宿る霊性(魔法)
ファンタジー物語では、魔法が発生する契機として、言葉(呪文)や文字(魔法陣)が登場しがちです。じつは、言葉や文字を媒介とする魔法の歴史は古く、西洋の中世期にもそのような考えが存在しました。 今回は、西洋中世期における「言葉」と「文字」に宿... -
西洋における光の文化史
はじめに キリスト教における旧約聖書の冒頭には、光と闇に関する象徴的な記述があります。 初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。神は言われた。 「光あれ。」 こうして、光があった。神は... -
西洋における光源としての火の利用
火は、人が人らしく暮らすために欠かせないものです。具体的には、火の光源としての機能によって、人は夜に活動できるようになりました。またその熱源としての機能によって、人はより快適に暮らすための技術を発展させてきました。 今回は産業革命前、具体... -
西洋中世期における森の利用と保護への動き
人口が増え、多くの人が森を利用するようになった中世期には、森の利用に関する様々なルールが生まれました。さらには森を持続的に利用するための、森の保護への動きがでてきました。それらについて紹介します。 古代 - 共用空間としての森 かつてヨーロッ... -
西洋中世期の森へ入る職業
中世ヨーロッパにおける森は、生活する上で必要な、様々な恵みをもたらしました。例えば、木材、水、木の実、食用にする動物、蜂蜜などです。中世期には、そのような森の恵みを享受して働く、森へ入る職業の人がいました。 本記事ではは、西洋中世期におけ... -
西洋中世期に存続した異教文化
クリスマスに常緑樹を飾り立てる風習は、ケルト人やゲルマン人の樹木信仰に由来しています。つまり西洋における、クリスマスツリーの文化は「異教」とキリスト教の文化が混ざり合ってできた文化と言えます。 今回は西洋中世期における「異教」に着目し、そ...