西洋史を学ぶ– category –
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言葉
西洋における過去の言葉のなごり
ラテン語とはで触れたように、言語は生き物と同じで、生まれた瞬間から常に変化していくものです。たとえば日本人はかつて、自らの両親のことを「父上」「母上」と呼んでいましたが、現代では「お父さん」「お母さん」などと呼びます。 そのため、古代人が... -
森
西洋中世期のアウトサイダー
中世の人びとは、森の開墾が進むまでは、共同体の外を「異界」ととらえていました。異界とは、神々や精霊、悪霊の住む世界のことです。 基本的に人びとは異界を避けて生活していましたが、なかには人間の世界と異界を行き来する人がいました。彼らは共同体... -
仕事
西洋中世期における旅する商人
国民的RPGゲーム『ドラゴンクエスト4』には、武器商人のトルネコが登場します。妻と幼い息子と暮らす、中年の太ったおじさんで、世界を救うにはちょっと頼りない……と言ったらかわいそうですが、「英雄」というタイプではありません。なぜ彼のようなキャラ... -
概論
歴史学者はどのように過去の出来事を知るのか|文字史料と口頭伝承
はじめに E.H. カー『歴史とは何か』。 大学で歴史学を学ぶ人がたいてい読む、歴史学の入門本です。その本に出てくる有名な言葉が「歴史とは現在と過去との絶え間ない対話である」です。 今回は、歴史学者がどのように過去の出来事を知るのか、文字史料と... -
土着信仰
西洋における樹木信仰のなごり
西洋の信仰と聞いてイメージするのは、キリスト教かもしれません。しかしキリスト教が中東から伝播する以前の、土着信仰のなごりは、西洋人の生活の諸所に存在します。 今回は、西洋における樹木信仰のなごりを紹介します。 樹木信仰の概要 Oluf Bagge 《... -
土着信仰
『メリュジーヌ物語』の概要
以下は、中世期の騎士道物語の1つである『メリュジーヌ物語』の概要です。騎士は湖で美女に出会うの記事で取り上げています。物語の舞台は現在のフランスです。 ポワエィエ伯エムリの従兄弟フォレ伯の三男であったレイモンダンは、エムリと共に狩りにでた... -
町や村
西洋中世期の川と都市の発展
中世ヨーロッパの都市は、川の恵みを享受しながら発展しました。今回は、都市の発展に寄与した川の機能を3つ紹介します。 川が人にもたらす恵み 人類の文明発展の礎となった四大文明は、川を中心として発展しました。四大文明とは、メソポタミア文明、エジ... -
言葉
ノマド(nomad)の語源
はじめに ノマドとは、英語のnomadまたは仏語のnomade(遊牧民)に由来しており、「ノマドワーカー」の略語です。ノマドワーカーとは、オフィスなど、特定の場所にとらわれずに働く人のことです。自宅だったり、河原だったり、山奥だったり、ネット環境さ... -
旅
西洋における道の文化史
中世ヨーロッパの道は、自分たちの共同体(村や町)から延びる異界への案内線でした。そこには超自然的な存在がはびこり、盗賊も出現しました。そのため、共同体から外れた道を歩くのは、中世の人びとにとっては命がけでした。 今回は、西洋における道の文... -
森
西洋中世期におけるアジール【具体例4つ】
アジールとは「聖域」を意味し、人の権力が及ばない領域を意味します。なぜならそこは、神々や霊的存在の支配領域だからです。そのため人間の定めた法を犯した者にとって、格好の避難場所となりました。 今回は西洋中世期に存在したアジールを4つ紹介しま...