物語をつくる– category –
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物語論
小説における翻訳のメリットとデメリット
はじめに 世界には偉大な文学作品がたくさんあります。『ロビンソン・クルーソー』、『レ=ミゼラブル』、『タタール人の砂漠』、『魔の山』……例として挙げた4作品はそれぞれイギリス、フランス、イタリア、ロシアの文学作品です。 多くの日本人はこれらの... -
物語論
騎士は湖で美女に出会う
はじめに 西洋の騎士道物語において、主人公は森を冒険すれば必ず、湖(泉)で恋人となる女性に出会います。そこで出会う女性は、決まって美しく、キリスト教から見て「異教」的な存在です。言い換えると、水辺で出会う美女は、妖精などの超自然的な存在で... -
物語論
喜劇にむなしさを感じる理由
はじめに 喜劇でも悲劇でもない小説にて、喜劇の要素も悲劇の要素も持つ物語は、どちらか一方の要素しか持たない物語より魅力的であると述べました。 わたしたちは幼少期には喜劇(ハッピーエンドの物語)を好みますが、成長するにつれて、悲劇の要素を含... -
物語論
喜劇と悲劇の側面をもつ小説
はじめに 神話学者のジョーゼフ・キャンベルは、あらゆるもの(生物・物質)は滅びゆくため、人は悲劇の物語に惹かれると述べます。つまりバットエンドを迎える物語です。しかし幼い子供は喜劇の物語を好みますし(「こうして王子様とお姫様は幸せに暮らし... -
物語論
作者との内輪話によって読書はより楽しくなる
はじめに 本を日常的に読んでいる方は、こんな経験があるかもしれません。同じ作者が書いた本でも、同じジャンルの本でもないのに、「この内容(表現)、他の本でも見たな……」。さらに驚かされるのは、遠い昔に読んだ本ではなく、直前に読んだ本の内容が、... -
物語論
人が小説を読む理由
はじめに 世の中には読書家と呼ばれる本をこよなく愛す人々がいます。わたしは彼らと肩を並べるほど多くの本を読んでいませんが、それでも本の魅力は多少なりとも知っているつもりです。 読書は良いものです。知らなかったことを教えてくれ、経験させてく... -
作品考察
『指輪物語』でフロドが灰色港から旅立つ理由
はじめに ハリーがニワトコの杖を捨てる理由で、ファンタジー冒険物語の定型プロットは、「行きて帰りし物語」であると説明しました。それは以下の4段階を踏むプロットです。 1. 主人公が超自然的な力を得る 2. 1の力をきっかけに、日常世界から異界へと旅... -
作品考察
『ハリー・ポッター』でハリーがニワトコの杖を捨てる理由
はじめに 西洋における森の歴史で、むかし人は自分の暮らす共同体(村・町)の外を「異界」ととらえていたとお話しました。村を囲う柵を一歩越えれば、そこは神々・精霊・悪霊の住まう世界だったのです。 現代では「異界」は消えてしまいました。超自然的... -
作品考察
『ラ・ラ・ランド』でミアとセブが別れた理由
はじめに 『ラ・ラ・ランド』においてなぜミアとセブは別れなければならなかったのか? 先日、遅ればせながら『ラ・ラ・ランド』を観ました。ネットを見ると様々な意見がありますが、ここでは私個人の見解をご紹介できればと思います。 物語のあらすじ ロ... -
物語論
まことの名を知らなければ魔法を使えない
はじめに 以前、文明と文化の違いで、civilization(文明)の語源をたどることで、文明とは何を意味するのか考察しました。このような考察をできることが、語源を知る醍醐味です。 さて最近、新しい単語の語源を知り、思うところがありました。すなわち、...