物語をつくる– category –
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作品考察
多崎礼『レーエンデ国物語』のレビュー
はじめに 過去の記事で記載した通り、私はファンタジー愛好家だ。そもそも、小説を読む理由自体が、「自分の人生では経験したことがない、あるいは今後経験しないであろうことを経験したいから」なので、現実世界とは180度異なるファンタジー小説が嫌いな... -
読書会
ヘルマン・ヘッセ『郷愁』-6月読書会
はじめに 6/10(土)に2回目の読書会を開催しました。課題本を指定する読書会としては初めての開催でした。当日は著者や本のあらすじをおさらいした後、物語内容について考察しました。その記録を本記事に記載します。 今回は2名の方に参加いただきました... -
作品考察
「人生において困難はないに越したことはない」は本当か? -ヘッセ『郷愁』
はじめに 人生において、困難がないに越したことはないと、私たちは思っている。楽しい期間はなるべく長いほうがいいし、辛い期間はなるべく短いほうがいい。楽しく感じる時間の割合が大きく、辛く感じる時間の割合が小さければ、総合して幸せになれるはず... -
読書会
初夏に読みたい小説/エッセイ -5月読書会
はじめに 2023/5/13(土)に、はじめての読書会を開催しました。その記録を本記事に記載します。 なぜ読書会をやろうと思ったのか 学生の頃、気に入っていた英文学の授業がありました。その授業は英文学専攻の学生の必須科目になっていて、内容は有名な英... -
物語論
ル=グウィン『ゲド戦記』の魔法法則の起原
はじめに ファンタジーに分類される物語の多くには、超自然的な力(=魔法)がでてきます。その定義はおとぎ話とファンタジーの違いでも紹介しました。 超自然的な力が出てくる物語のなかでも、工業化以前の時代を舞台にしたものをファンタジー、工業化以... -
おすすめ本
おすすめ!ハヤカワノンフィクション文庫
はじめに 早川文庫には「NF(ノン・フィクション)」というジャンルがある。最近、本棚のハヤカワノンフィクション文庫が増えてきて気づいたことは、このジャンルに魅力的な本が多いことだ。というわけで、本記事では個人的におすすめなNF文庫の本をまとめ... -
作品考察
映画『ロード・オブ・ザ・リング -二つの塔-』の考察
はじめに 今年2022年はJ.R.R.トールキンの『指輪物語』ファンにとって最高の年ですね。Amazon Prime Videoで『指輪物語』の前日譚である『力の指輪 the Rings of Power』のドラマ配信が始まった……のも大きいですが、個人的にはそれよりも、原作にかなり忠... -
おすすめ本
水滴が落ちる音にセンシティブな主人公アンソロジー
はじめに ブログ記事を書く人なら誰しも、ブログタイトルには細心の注意を払います。なぜなら、記事タイトルに含まれている単語が、検索エンジンでヒットする確率が高ければ高いほど、ユーザーのサイト訪問数があがるからです。しかし、どこの誰が「水滴」... -
物語論
失われた荒野を求めて – ル=グウィン『いまファンタジーにできること』
はじめに これまでファンタジージャンルの小説について、様々なことを語ってきました。例えば、ファンタジー小説に愛好家が少ないのはなぜ?では、ファンタジー小説の愛好家が少ない理由を考えました。また、ファンタジーが逃避文学ではない理由では、よく... -
作品考察
アントニオ・タブッキ『供述によるとペレイラは……』の考察
はじめに イタリア出身の小説家であり、ポルトガル文学研究者でもあった、アントニオ・タブッキは私のお気に入りの小説家の一人だ。今まででタブッキに言及しているブログ記事を探すと、なんと3つも見つかった。それだけ彼の作品が好きということだ。以下...