物語をつくる– category –
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『ハリー・ポッター』でハリーがニワトコの杖を捨てる理由
はじめに 西洋における森の歴史で、むかし人は自分の暮らす共同体(村・町)の外を「異界」ととらえていたとお話しました。村を囲う柵を一歩越えれば、そこは神々・精霊・悪霊の住まう世界だったのです。 現代では「異界」は消えてしまいました。超自然的... -
『ラ・ラ・ランド』でミアとセブが別れた理由
はじめに 『ラ・ラ・ランド』においてなぜミアとセブは別れなければならなかったのか? 先日、遅ればせながら『ラ・ラ・ランド』を観ました。ネットを見ると様々な意見がありますが、ここでは私個人の見解をご紹介できればと思います。 物語のあらすじ ロ... -
まことの名を知らなければ魔法を使えない
最近、新しい単語の語源を知り、思うところがありました。すなわち、「名前」はその人の本質をよく表す、ということです。今回は、「名前に人や物の本質が宿る」ということについて考察します。 名前は人を表す 先日、プラトン著の『ラケス』を読みました... -
『マギ』から学ぶ経済学
はじめに わたしは漫画をそれほど読まないのですが、唯一、本棚にずらりと大切に並んでいる漫画があります。……それは、大高忍先生の『マギ』です。 学生時代所属していた西洋中世史ゼミで、友人に勧められたのが『マギ』でした。友人曰く、実際に存在した... -
おとぎ話とファンタジーの違い
物語ジャンルとしての「おとぎ話」と「ファンタジー」は、どのように違うのでしょうか。どちらの物語にも魔法使いがでてくるし、暗い森や喋る動物など、似た要素がたくさん出てきます。 それを知るためには、そもそも「ファンタジー」という物語ジャンルが... -
ブッツァーティ『タタール人の砂漠』感想
あらすじ 物語は、主人公のドローゴが士官学校を卒業し、将校として最初の任地へと出立する場面から始まります。21歳のドローゴは青春の盛りで、士官学校時代の辛い勉強の日々、軍曹の叱責を思い出しては、もうそれらに悩まされることはないのだ、これから... -
カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』感想
はじめに 今回は2017年度、ノーベル文学章を受章したカズオ・イシグロの著作『忘れられた巨人』の感想を書きます。ネタバレはなしです。 カズオ・イシグロとの出会い カズオ・イシグロという作家を知ったのは、大学生のころです。たまたま受けてみた英文学... -
男を惑わす「美女」セイレーン
はじめに 先日、同僚と訪れたスタバに、美しいセイレーンが描かれたタンブラーが売っていました。調べてみると、ちょうどアニバーサリーの日で、限定グッズが売られていたんですね。素敵なセイレーン!買いたい衝動を必死に抑えて拝むにとどめました…。 と...