西洋史を学ぶ– category –
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歴史学者はどのように過去の出来事を知るのか|文字史料と口頭伝承
はじめに E.H. カー『歴史とは何か』。 大学で歴史学を学ぶ人がたいてい読む、歴史学の入門本です。その本に出てくる有名な言葉が「歴史とは現在と過去との絶え間ない対話である」です。 今回は、歴史学者がどのように過去の出来事を知るのか、文字史料と... -
西洋における樹木信仰のなごり
西洋の信仰と聞いてイメージするのは、キリスト教かもしれません。しかしキリスト教が浸透する以前の、古くからの信仰のなごりは、今も生活の諸所にのこっています。 今回は、西洋における樹木信仰のなごりを紹介します。 樹木信仰の概要 ゲルマン人の神話... -
『メリュジーヌ物語』の概要
以下は、中世期の騎士道物語の1つである『メリュジーヌ物語』の概要です。騎士は湖で美女に出会うの記事で取り上げています。物語の舞台は現在のフランスです。 ポワエィエ伯エムリの従兄弟フォレ伯の三男であったレイモンダンは、エムリと共に狩りにでた... -
西洋中世期の川と都市の発展
中世ヨーロッパの都市は、川の恵みを享受しながら発展しました。今回は、都市の発展に寄与した川の機能を3つ紹介します。 川が人にもたらす恵み 人類の文明発展の礎となった四大文明は、川を中心として発展しました。四大文明とは、メソポタミア文明、エジ... -
ノマド(nomad)の語源
はじめに ノマドとは、英語のnomadまたは仏語のnomade(遊牧民)に由来しており、「ノマドワーカー」の略語です。ノマドワーカーとは、オフィスなど、特定の場所にとらわれずに働く人のことです。自宅だったり、河原だったり、山奥だったり、ネット環境さ... -
西洋における道の文化史
中世ヨーロッパの道は、自分たちの共同体(村や町)から延びる異界への案内線でした。そこには超自然的な存在がはびこり、盗賊も出現しました。そのため、共同体から外れた道を歩くのは、中世の人びとにとっては命がけでした。 今回は、西洋における道の文... -
西洋中世期におけるアジール【具体例4つ】
アジールとは「聖域」を意味し、人の権力が及ばない領域を意味します。なぜならそこは、神々や霊的存在の支配領域だからです。そのため人間の定めた法を犯した者にとって、格好の避難場所となりました。 今回は西洋中世期に存在したアジールを4つ紹介しま... -
西洋におけるアジールとは【概要】
アジールとは「聖域」を意味し、人の権力が及ばない領域を意味します。なぜならそこは、神々や霊的存在の支配領域だからです。今回は西洋におけるアジールについて、概要を紹介します。 アジールとは ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《冥界からエウ... -
絵画から知る西洋の中世と近世の違い
はじめに 歴史学における時代区分は、「古代」「中世」「近世」「近代」「現代」で表されます。 紛らわしいのは近世と近代です。近代と言うには言い過ぎだけれど、明らかに中世とは違う。そんな中間時代を近世と呼びます。西洋では具体的には、ルネサンス... -
廃墟はなぜ美しいのか
はじめに 「美学」という言葉を初めて聞いたのは学生のころでした。どうやら哲学の一領域らしい。その時は、「美しくなるための方法を研究するのかな…でもなぜ哲学科のジャンル?」などと思ったものです。哲学科の女の子たちがやたらオシャレで可愛かった...