西洋史を学ぶ– category –
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ノマド(nomad)の語源
はじめに ノマドとは、英語のnomadまたは仏語のnomade(遊牧民)に由来しており、「ノマドワーカー」の略語です。ノマドワーカーとは、オフィスなど、特定の場所にとらわれずに働く人のことです。自宅だったり、河原だったり、山奥だったり、ネット環境さ... -
西洋における道の文化史
中世ヨーロッパの道は、自分たちの共同体(村や町)から延びる異界への案内線でした。そこには超自然的な存在がはびこり、盗賊も出現しました。そのため、共同体から外れた道を歩くのは、中世の人びとにとっては命がけでした。 今回は、西洋における道の文... -
西洋中世期におけるアジール【具体例4つ】
アジールとは「聖域」を意味し、人の権力が及ばない領域を意味します。なぜならそこは、神々や霊的存在の支配領域だからです。そのため人間の定めた法を犯した者にとって、格好の避難場所となりました。 今回は西洋中世期に存在したアジールを4つ紹介しま... -
西洋におけるアジールとは【概要】
アジールとは「聖域」を意味し、人の権力が及ばない領域を意味します。なぜならそこは、神々や霊的存在の支配領域だからです。今回は西洋におけるアジールについて、概要を紹介します。 アジールとは ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《冥界からエウ... -
絵画から知る西洋の中世と近世の違い
はじめに 歴史学における時代区分は、「古代」「中世」「近世」「近代」「現代」で表されます。 紛らわしいのは近世と近代です。近代と言うには言い過ぎだけれど、明らかに中世とは違う。そんな中間時代を近世と呼びます。西洋では具体的には、ルネサンス... -
廃墟はなぜ美しいのか
はじめに 「美学」という言葉を初めて聞いたのは学生のころでした。どうやら哲学の一領域らしい。その時は、「美しくなるための方法を研究するのかな…でもなぜ哲学科のジャンル?」などと思ったものです。哲学科の女の子たちがやたらオシャレで可愛かった... -
西洋になぜキリスト教が浸透したのか
現在、西洋で最もメジャーな宗教はキリスト教です。しかし西洋の人びとは、古代期までローマ神話に代表される多神教を信仰していました。つまり、キリスト教は中世期になって西洋に浸透した宗教なのです。 中世期以前に大陸の主権を握っていた、ローマ帝国... -
西洋における青の歴史 – 人気の色になるまで
西洋中世期の色彩体系は、白/黒/赤の3色がメインでしたが、12世紀頃から、青の人気がはっきりと高まりだしました。青はたちまち、赤と並んで王侯貴族に好まれる、二大色の1つとなり、現代においても、その系譜はつづいています。 青はどのような過程を経... -
中世後期の風景画の特徴と魅力
はじめに 西洋における森の歴史で、「風景画」という絵画のジャンルが確立したのは17世紀ごろだとお話しました。簡単に言うと、森が「異界」でも「征服すべきもの」でもなく、「癒し」としてとらえられるようになってからです。 西洋絵画といったらルノワ... -
一角獣(ユニコーン)の性質
伝説上の動物、一角獣(ユニコーン)の性質について紹介します。西洋では古くから文学作品に登場し、乙女が飼いならすことができると信じられています。 一角獣に関する最初の記述 コンラート・ゲスナー(1516 – 65) 『動物誌 第1巻 胎生の四足動物につい...