物語を考える– category –
物語の構造や読み解き方を整理し、創作に使える視点を探ります。
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物語論
ファンタジー小説に愛好家が少ないのはなぜ?
はじめに 先日、日本神話を基にしたファンタジー小説『空色勾玉』などの著作で知られる、荻原規子のエッセイ『もうひとつの空の飛び方 『枕草子』から『ナルニア国』まで』を読みました。2時間ほどで読める気軽な本で、ファンタジー好きなら頷ける内容ばか... -
作品考察
アントニオ・タブッキ『インド夜想曲』の紹介
はじめに 今回は、イタリア生まれの作家でありポルトガル文学研究者である、アントニオ・タブッキ『インド夜想曲』を紹介します。ネタバレはなしです。 読もうと思ったきっかけ 私は西洋中世史という興味関心上、普段から西欧文学をよく読みます。しかし「... -
作品考察
『風の谷のナウシカ』の世界観を考える
はじめに 映画『風の谷のナウシカ』は宮崎駿が『アニメージュ』で連載していた同名のタイトルの漫画を原作とします。公開年は1984年。制作会社こそスタジオジブリではないものの、のちにスタジオジブリで活躍するスタッフが手掛けた映画として、世間ではス... -
作品考察
映画『戦場のメリークリスマス』の解説
はじめに 1983年に公開された『戦場のメリークリスマス』(英: Merry Christmas, Mr. Lawrence) は日本、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの合作映画です。第二次世界大戦中のジャワ島における日本軍捕虜収容所を舞台とし、日本兵とイギリス人捕... -
作品考察
映画『ミッドサマー』の解釈 – 物語はハッピーエンドなのか?
はじめに 2020年2月21日に日本で公開された、映画『ミッドサマー(Midsommar)』を観ました。目的は2つあり、舞台芸術(衣装、舞台セットなど)の美しさを観ること、夏至祭の描かれ方を観ることでした。 観る前のイメージと、実際に観たときの印象はまったく... -
物語論
西の方角にある妖精の国
現イギリスとアイルランドには、西洋にキリスト教が浸透する前の、古くからの信仰文化が残っています(※)。例えば、ローマ人に追いやられてブリテン諸島(現イギリスとアイルランドの島々)に住むようになったケルト人は、島から西の方角、つまり海の向こ... -
物語論
神話や物語における異界への入口
異界とは、人間が住む世界とは別の世界、神々や精霊、悪霊などが住むと信じられてきた世界のことです。ゆえに前近代の人びとは異界を恐れ、出来る限り近づかないようにしていました。 ところが、異界への入口は日常世界に紛れ込み、常在しています。今回... -
作品考察
『アルジャーノンに花束を』の解釈
はじめに 今回は『アルジャーノンに花束を』を読み、解釈したことをまとめます。ネタバレありです。 あらすじ 物語は、知的障害者であるチャーリイが知能レベルを高める手術を受けるところから始まる。手術は今まで動物に対してのみ実施されてきた。そのた... -
物語論
小説における翻訳のメリットとデメリット
はじめに 世界には偉大な文学作品がたくさんあります。『ロビンソン・クルーソー』、『レ=ミゼラブル』、『タタール人の砂漠』、『魔の山』……例として挙げた4作品はそれぞれイギリス、フランス、イタリア、ロシアの文学作品です。 多くの日本人はこれらの... -
物語論
騎士は湖で美女に出会う
西洋中世期の騎士道物語において、主人公は森を冒険すれば必ず、湖(泉)で恋人となる女性に出会います。そこで出会う女性は、決まって美しく、キリスト教から見て「異教」的な存在、つまり妖精などの超自然的な存在です。 今回は、西洋の騎士道物語に登場...
