写真右側が市壁の通路。目の前の家は蛇の看板を掲げているので、おそらくかつての薬局

ローテンブルク→フュッセン【ドイツ2019-⑤】

はじめに 

ドイツ旅行5日目の行程は、下図オレンジ線の通りです。
ローテンブルクを出発し、フュッセンに泊まります。
旅の基本情報、全体の旅程などはドイツ旅行導入を参照してください。

移動手段と所要時間は以下の通りです。
この日は移動が長かったので、乗り継ぎ駅も記載します。

出発地到着地移動手段所要時間
ローテンブルク
Rothenburg ob der Tauber
シュタイナハ
Steinach
鉄道15分
シュタイナハ
Steinach
トロイヒトリンゲン
Treuchtlingen
鉄道1時間
トロイヒトリンゲン
Treuchtlingen
アウクスブルク
Augsburg Hbf
鉄道1時間
アウクスブルク
Augsburg Hbf
ブーフロー
Buchloe
鉄道30分
ブーフロー
Buchloe
フュッセン
Füssen
鉄道1時間

待ち時間も含めて、5時間ほどの電車旅でした。
11時に出発し、16時に目的地に着きました。

この日の目的はローテンブルクの市壁歩きと、フュッセンへ辿りつくことです。

ローテンブルク

写真右側が市壁の通路。目の前の家は蛇の看板を掲げているので、おそらくかつての薬局
写真右側が市壁の通路。目の前の家は蛇の看板を掲げているので、おそらくかつての薬局

市壁を歩くとはどういうことなのかと言うと、壁の内側に設けられた、見張り用の通路を歩くことです。

前回の記事で、中世都市のすべては市壁の内に収まっていたと説明しました。そして夜になるとすべての門を閉ざし、外界と隔絶することを説明しました。

市壁に設えられた通路は、有事に備えて外を見張ったり、戦が起きた際に外の様子を確認したりするためにあります。市壁の途中に点在する塔も、同じ役割を果たしました。※塔のほうが高いので、より遠くを見渡すことができます

市壁の窓は攻撃に備えて、顔がやっと入る程度の小さなサイズでとられます。近世になると、窓には大砲の銃口が向けられることもありました。ローテンブルクでも南の要塞で大砲を4台ほど見ました。

17世紀に建てられた南端の要塞。ここから北へ向かって、半時計周りで市壁を歩く
17世紀に建てられた南端の要塞。ここから北へ向かって、半時計周りで市壁を歩く

まだ誰も起きていない町を南に抜けて、南端から市壁歩きを始めました。もしかして入場時間が決められていて、朝は入れないかも?と思いましたが、自由に入れました。誰もいないのでもちろん入場料はとられません。要塞では犬の散歩をしている方がいました。

市壁からの眺め
市壁からの眺め

朝の空気を楽しみながら歩いていると、8時を知らせる鐘が鳴り始めました。教会の鐘です。今日は雲一つなく、気持ち良い天気です。

西洋にいることをしみじみ感じるのは、個人的に鐘の音です。教会には必ず鐘があるため、西洋人は昔から鐘の音を基準に生活を送ってきました。

鐘は時間を知らせるほかにも、敵が攻めてきた、火事が起きた等の緊急の知らせをもたらします。あるいは吉兆を知らせ、町全体をお祝いムードに包むことがあります。

広場の噴水
広場の噴水

パン屋でサンドウィッチを買い、広場で朝ごはんにしました。今日は長旅になるので、昼食分のプレッツェルも買いました。プレッツェルは日持ちする上に、固くて潰れないので旅のお供に便利です。

ローテンブルクからフュッセンへ

ローテンブルクからフュッセンへは、どのような移動手段を使うか迷うものです。

私が見たガイドブックには、フランクフルト~フュッセン間を走る観光バスがお勧めと書いてありました。しかし調べてみると今年(2019年)はそのバスが週2本しか走っていませんでした。またバスで行くとするとフュッセンに着くのが20時過ぎになり、真っ暗のなか宿を探さなくてはなりません。田舎の町ですし、それは不安だったので電車で行くことにしました。

南ドイツへ。車窓からの眺め
南ドイツへ。車窓からの眺め

電車の旅は思った以上に良かったです。ドイツの電車は静かで快適ですし、なにより大きな車窓から見える景色が最高でした。電車は牧場や耕作地の横を走っていきます。

個人的には、乗り継ぎでアウクスブルクに降り立ったことがちょっと感動でした。アウクスブルクの宗教会議(1555年)の、あのアウクスブルクです。現在も変わらず大きな町でした。

フュッセンへ近づくと、いよいよ山岳地帯っぽくなってきました。そして、南端の国境であるアルプス山脈が見えました。

アルプス山脈と湖
アルプス山脈と湖

そういえば、『アルプスの少女ハイジ』のクララがいる病院はフランクフルトでしたね。アルプス山脈といえばスイスのイメージですが、実はドイツも接しています。この辺りに来ると、山登りの装備をした人が多くなってきました。

フュッセン

フュッセン。山の麓の宿場町
フュッセン。山の麓の宿場町

電車の終点、フュッセンに着きました。ここから先は線路がないので、フュッセンへ到着するすべての電車は折り返していきます。フュッセン駅は小さな駅ですが、山の麓の町だけあって、山装備のお店があります。中心地は駅から500mほど離れたところにあり、そこにツーリストインフォメーションセンターがあります。

フュッセンを歩いてみると、どこもかしこも宿だらけです。この日の宿へ到着し、インターフォンを押すと、中から愛想のいい大型犬が出てきました。宿のお母さんが押し戻します。「これはフランキードックよ」フランケン地方の犬ということでしょうか。耳が垂れていて、山の犬といった感じです。広い宿でしたが、泊まるのはわれわれだけのようです。木の香りがする素敵な宿でした。

夕食は明るいうちに、開放的なビアバーで取りました。ここの地ビールはおいしかったです。

その後、明日の朝ごはんとお弁当を作るために、スーパーで買い出しをしました。宿の広すぎるキッチンでサンドウィッチをつくり、暗くなるとともに眠りました。

おわりに

ドイツ旅行5日目は、ローテンブルク観光とフュッセンへの電車旅でした。

フュッセンへ行く途中の電車で、南へ行くとこれほど景色が変わるのかと驚きでした。イメージしていたドイツとは異なり、どちらかというとスイスのイメージに近いです。緑と青の景色が美しく、時間もあっという間に過ぎていきました。

6日目はフュッセン近郊にあるノイシュバンシュタイン城へ行きます。

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コメント

  • コメント (3)

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    • ganQ
    • 2019年 10月 16日 10:11am

    中世の噴水って、どんな風な仕組みだったのでしょうね(´;ω;`)

    • sou-sou55
    • 2019年 10月 16日 9:08pm

    私もあまり詳しくないです。水を引く技術自体は、ローマ帝国の水道橋に見られるように中世以前からありました。
    ベルサイユ宮殿にあるような勢いよく水が噴き出す噴水は近世になってからで、中世では水がちょろちょろ出る程度の噴水が多かったのだろうと個人的には思っています。

    • ganQ
    • 2019年 10月 16日 10:41pm

    取り敢えずサイフォンの原理のペットボトル噴水実験の動画を見てきました。な、なんとなく分かったような…(^-^;

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