はじめに
ドイツ旅行6日目の行程は、下図オレンジ線の通りです。
フュッセンを出発し、ミュンヘンに泊まります。
旅の基本情報、全体の旅程などはドイツ旅行導入を参照してください。
移動手段と所要時間は以下の通りです。
出発地 | 到着地 | 移動手段 | 所要時間 |
---|---|---|---|
フュッセン Füssen | ミュンヘン München | 鉄道 | 2時間 |
この日の目的はフュッセン近郊にあるノイシュヴァンシュタイン城の観光です。
ノイシュヴァンシュタイン城へ
基本情報として、ノイシュヴァンシュタイン城の内部を見学するには、約1時間の城内ツアーに申し込まなければなりません。しかし「ツアーが満員で城内に入れなかった」という友人の話がちらほら。観光シーズンではない冬場でもそういうことがあるそうです。
そのため、事前にWebでツアーを予約しておきました。ただし予約のみで城内に入れるわけではなく、当日はチケットセンターにて、入場チケットを受け取る必要があります。チケット受領には期限があり、ツアー開始の約2時間前までに手続きをしなければなりません。それに間に合わない場合には予約は自動キャンセルされ、キャンセル料を取られるという仕組みです。
今回予約したツアーのチケット受領期限は8:45でした。朝早いので、駅からのバスがないと宿のお母さんに言われました(フュッセン駅からノイシュヴァンシュタイン城の麓まではバスで約15分)。タクシーを予約するといいと、タクシー会社の電話番号を示されます。
電話が使えないと言うと、「分かった、代わりに予約してあげる」 。 ありがたいことに、われわれの目の前で電話して、予約してくれました。さらに、チェックアウト後も夕方まで荷物を預かってもらえることになりました。
「タクシー会社には8:30に宿の前に来るように言っておいたわ」
……しかし翌朝、約束の時間になってもタクシーが来ません。日本とは違うので仕方がないです。多分寝坊してしまったのでしょう。
結局バスで城まで行きました。早い時間ですが、バス停にはすでに10名以上が並んでいました。
ノイシュヴァンシュタイン城観光
基本情報
ノイシュヴァンシュタイン城は、バイエルン王ルートヴィヒ2世が19世紀に建てたお城です。彼は幼少期の頃、父の所有するホーエンシュヴァンガウ城(ノイシュヴァンシュタイン城に隣接している)にたびたび訪れ、騎士のような孤立した城生活に憧れるようになりました。自分も同じような生活を送りたいと思い、自身の趣味満載で建てたのがノイシュヴァンシュタイン城です。
中世期の騎士は、貴族なので自分の土地を持っていました。騎士たちは一般的に、自分の領地に城を建て、領内に暮らす人々が生産した農作物を食べて暮らしていました。そして国王に仕えているので、よく都へ行きます。
騎士を主人公とした中世期の有名な物語に『アーサー王物語』があります。騎士は馬上槍試合に参加したり、冒険へでかけたり(※)して、自分の腕を磨いていました。※騎士道物語における冒険とは、見知らぬ騎士との戦いを求めて旅にでることです。
中世期における騎士の城は堅固で、要塞としての機能を最優先させていました。このような城をドイツ語でブルク(Brug)と呼びます。一方で、近世期以降の貴族の城は、見た目の美しさと暮らしやすさを優先させていました。話し合いでもめごとを解決する時代になり、防衛機能がいらなくなったからです。このような城をドイツ語でシュロス(Schloss)と呼びます。
ノイシュヴァンシュタイン城はルートヴィヒ2世が騎士道の理想を詰め込んだ城ですが、形態としてはシュロスです。19世紀の便利な生活に慣れた貴族が、中世期の城に暮らすのは現実的ではありません。
城内ツアーへ
チケットは自動キャンセルになったので、チケットセンターでもう一度予約をし、10:35からのツアーチケットを手に入れました。ツアーでは様々な国の人と一緒になりますが、日本語のオーディオガイドがあるので英語が分からなくても大丈夫です。
丘の上にある城へは、以下3種類のいずれかの方法で行く必要があります。
- 徒歩(約40分)
- 馬車(約20分)
- バス(約10分)
景色を楽しみながら行きたいので、徒歩で行くことにしました。道の途中にある展望台では、南ドイツの美しい景色が見られます。ノイシュヴァンシュタイン城は景色の良い場所を選んで建てられたので、当然景色も良いです。
城の入口に着くと、ツアー開始を待つ人でいっぱいになっていました。チケットに記載された入場時間になると、機械にチケットをかざして入場できます。
城内では写真撮影ができないため、残念ながら写真はありません。見どころは調度品と壁画です。壁には『トリスタンとイゾルデ』等、中世騎士道趣味の絵画が一面に描かれていました。
ルートヴィヒ2世は時の作曲家、リヒャルト・ワーグナーの大ファンでした。そのため城内にはワーグナーの作品に着想を得た壁画が多いです。例えばワーグナーが作劇したオペラに、白鳥伝説を基にした『ローエングリン』があり、その物語の場面が壁画に見られます。
実は、シュヴァンガウという地名は「白鳥の里」を意味し、城周辺は『ローエングリン』の基である白鳥伝説ゆかりの地でした。そのため城内では白鳥のモチーフが多く見られ、それがノイシュヴァンシュタイン城が別名「白鳥城」と呼ばれる所以となっています。
城の周辺を歩く
城内見学を終えたあとは、城がよく見えるスポットまで行って写真を撮ることにしました。定番はマリエン橋です。城から歩いて15分ほどの所にあり、そこから麓へ帰るバスも出ています。
橋は城を撮影する人でいっぱいでした。渡った先に道があったので、さらに上へ行ってみます。修学旅行中と思われる子供たちが、元気よく山道を登っていきます。
狭い展望台があったので、そこから写真を撮影しました。マリエン橋から撮った写真より壮大な感じが出て、お気に入りです。
その後、バスで麓へ戻り、バスを乗り替えてフュッセン駅まで戻りました。
フュッセンからミュンヘンへ
フュッセンからミュンヘンへは電車で約2時間です。意外と近いので、ミュンヘンから日帰りでノイシュヴァンシュタイン城観光をする方も多いようです。ただ日帰りで行く場合には、城に着くのが昼頃になるため、チケット予約をしたほうがいいと思います。
16時出発の電車まで時間があったため、こじんまりとしたフュッセン市内をぶらぶらしました。山の麓の町なので、手袋やマフラー等、防寒グッズのお店がたくさんあります。そしてドイツに来て感じたことですが、大型犬を連れた方が多いです。広場の水場にワンちゃんが喜んで入っていく姿が見られました。
プラットフォームが1つだけの、のどかな駅で電車を待っていると、マリエン橋より先の展望台で写真撮影を頼まれた、アジア系の若夫婦に再会しました。向こうも気づいて、電車を待つ間お喋りをしました。
彼らはマレーシア人で、日本が大好きで、もう3回も旅行したそうです。とくに雪が見たくて行った北海道がよかったとおっしゃっていました。ノイシュヴァンシュタイン城へはミュンヘンから日帰りで観光に来たそうです。
昨日と同じような、田園風景のなかを電車は進みます。ミュンヘン中央駅に着くと、途端に都会になりました。先ほどの若夫婦を見かけたので、手を振ってお別れします。
この日の宿は今までの旅で一番アクセスの良い所でした。駅からすぐ近くのユースホテルです。ミュンヘンといえばビールなので、夕食ではもちろんビールを飲みました。
おわりに
ドイツ旅行6日目は、ノイシュヴァンシュタイン城観光でした。
ノイシュヴァンシュタイン城観光は城だけでなく、周辺の景色を楽しむ目的でも楽しいと思います。湖や山の景色が素晴らしく、いつかハイキングでまた訪れたいと思いました。
7日目はミュンヘン市内の観光です。いよいよ旅行最終日です。