はじめに
ドイツ旅行1日目の行程は、下図オレンジ線の通りです。
フランクフルトを出発し、ケルンに泊まります。
フランクフルトには前日入りです。
旅の基本情報、全体の旅程などはドイツ旅行導入を参照してください。
この日の目的はライン河下りとケルン大聖堂を見ることです。
各区間の移動手段と所要時間は以下の通りです。
出発地 | 到着地 | 移動手段 | 所用時間 |
---|---|---|---|
フランクフルト Frankfurt | リューデスハイム Rüdesheim | 鉄道 | 1H |
リューデスハイム Rüdesheim | ザンクト・ゴアール St.Goar | 船 | 2H |
ザンクト・ゴアール St.Goar | ケルン Köln | 鉄道 | 2H |
地図上には記載していませんが、ライン河はリューデスハイム→ザンクト・ゴアール→ケルンに沿って流れており、オランダを通って海に至ります。
フランクフルトからリューデスハイムへ
今回はほとんどの鉄道切符をドイツ鉄道(DB)のアプリで買いました。こちらのアプリでは長距離切符が買えます。ただし、フランクフルト→リューデスハイム間は短距離なので、ラインマイン交通連合(RMV)の切符を買わなければなりません。駅の青い券売機で買えますが、朝早く出発しなければならなかったため、少し億劫。
乗車当日になると、DBのアプリでもRMVの切符が買えるようになっていました。どうやら、当日券のみアプリで購入できるようです。切符を購入し、アプリに記載のプラットフォームに行き、電車に乗りました。
ライン河下り
ライン河はワインがおいしいことで有名です。今回乗船する町、リューデスハイムもワインの産地です。葡萄畑の丘が広がり、よく見るとゴンドラが通っています。晴れた日には、ゴンドラに乗って丘の頂上まで登ってみても良いかもしれません。町でワインを1€で試し飲みしました。
乗船所から観光用のクルーズ船に乗ります。チケットは念のため事前に予約していました。古城のそばを通ると、ドイツ語、英語、日本語で説明のアナウンスが流れます。船内はカジュアルなレストランになっており、何も頼まず座っていてもよし、軽食を頼んでもよしです。
ソーセージを食べながら、のんびりとしたひとときです。船内には西洋人の方が多い様子。この辺りに住む人でしょうか。今回の区間は2000円ちょっとなので、小旅行にいいですよね。
ゾーンエック城。霧がかって幻想的です。
ライン河といえば、ローレライ伝説が有名です。西洋中世の川と都市の発展で説明した通り、陸路より安全で大量の物資を運べる河は、商業の発展に寄与しました。かつてライン河にもたくさんのドイツの商人が行き交っていました。
ローレライとは、ライン河交通の難所にある巨岩のことです。この巨岩に当たってできた渦巻は古来、多くの船人たちを脅かしました。
ローレライは山彦を起こす妖精が住む岩としても知られ、後世では、その妖精がローレライという名の美女であると詩でうたわれました。残念ながら、今回はザンクト・ゴアールで下船したので、ローレライは見られませんでした。少し先に行くと見れます。
ザンクト・ゴアールの駅は無人でした。1時間ほど時間をつぶして、電車に乗ります。
リューデスハイムからケルンへ
車窓の景色を見ながら鉄道旅。車内はすいていました。途中でドイツ人のおじいちゃん二人組が乗ってきます。
今回の旅の道連れである母と話していると、おじいちゃんが「きみ日本人?」。言葉で日本人だと分かるとは、かなり日本に精通しているご様子。「ここの前に停車した○○は日本の○○と姉妹都市なんだよ」……ごめんなさい、都市名は忘れました。
「どこへ行くの?」
「ケルンです。途中で乗り換えが必要みたいですが」
「ああ、それは急行電車への乗り換えだね。この電車に乗っていても着くよ。ゆっくりだけど。乗っていったら?」
座れるのはありがたいですが、ケルンの観光時間は今日しか取っていません。おじいちゃんたちにお別れを言い、各停電車を下車しました。
急行電車に乗ってしばらく、あ、あのシルエットはもしや!?一瞬ですが、ケルン大聖堂が見えました。高校生の頃、世界史の資料集を眺めながらいつか行ってみたいと思っていました。やっと訪れることができて感激です。
ケルン
ケルン中央駅に降りると、プラットフォームのすぐ横に巨大な何かが…。大聖堂がプラットフォームの屋根に見切れています。すごい迫力です。
ひとまず宿にチェックインし、景色を楽しみながらケルン大聖堂へ向かいます。本当に、どこからでも見える高さです。この荘厳さに意味があるため、大聖堂の周りには高い建物を建ててはいけません。すぐそばに流れる広い河はライン河です。ここまで来ると客船のような大きな船も行き来しています。
ケルン大聖堂は、ゴシック様式の建造物として最高峰の聖堂です。ゴシック様式とは12世紀にフランスで始まった建築様式で、その後の教会建築の主流となりました。ゴシック様式の特徴は尖塔と広い窓、ステンドグラスです。聖堂の高さと光で神への賛美を表しました。よくロマネスク様式と対比されます。
近くで見ると、彫刻の細かいことに驚きます。広角レンズを使用してやっとファインダーに収まります。
中に入ると、ちょうどパイプオルガン奏者が練習をしている所でした。これほど音が響く教会はいまだかつて、入ったことがありません。何とも言えない気持ちになりました。
この日は雨が降ったり止んだりの天気で、気づくと虹がでていました。ケルン大聖堂はライトアップも綺麗なのですが、疲れてへとへとだったため、夕食を食べたあとは宿に戻りました。
夕焼け空に浮かび上がるシルエット
おわりに
ドイツ旅行1日目はライン川クルーズにケルン観光と、盛沢山の日でした。
その日は雨が降ったり止んだりしていましたが、逆にそれが幻想的でよかったです。ケルンが思ったよりずっと都会なことに驚きました。若者が多く、フランクフルトよりエネルギッシュです。
ライン川クルーズは主要な観光ルートですが、ケルンまで行く人はあまりいない印象です。興味がある方はぜひ行ってみてください。個人的には、ドイツといえばノイシュバンシュタイン城ではなく、ケルン大聖堂です。歴史がありますから!
2日目はドイツで最も古い大学がある町、ハイデルベルクへ行きます。