チェ・ジョンファ《太陽の贈り物》。小豆島にて。

ぶらり屋島【香川県2020-①】

はじめに

旅ブログ第2回にチャレンジです。昨年の夏は以下の通り、 ドイツへ行ったのでした。

今年の夏は所用で香川県に滞在することになりました。滞在中にぶらぶらと旅もしたので、訪れた場所を紹介しつつ、香川県の魅力も紹介します。

香川県について

チェ・ジョンファ《太陽の贈り物》。小豆島にて。
チェ・ジョンファ《太陽の贈り物》。小豆島にて。

魅力

香川県は「うどん県」と呼ばれる通り、讃岐うどんが有名です。揚げ物をつけても500円以内に収まるので、三食うどんで済ませる香川県人も存在します(そのため香川県人は糖尿病になる確率が高いとか)。

ちなみに私が好きな揚げ物はナスとレンコンです。ネギが好きなので大量に入れます。

うどんで有名な香川ですが、魅力は他にもたくさんあります。私が気に入っているのは、何といっても瀬戸内海の多島が見える風景です。海の青が、ミルキーブルーとでもいえばいいのでしょうか、穏やかで、ここ以外の海では見られない美しい青なのです。

そして年々知名度が高まっている、瀬戸内国際芸術祭も魅力の1つです。「瀬戸芸」と呼ばれるこの祭典は、3年に1度開かれる現代アートの祭典で、香川県知事が中心となって2010年から始まりました。最も有名な作品の1つが、直島にある草間彌生のかぼちゃのオブジェです。冒頭に掲載した写真も、瀬戸芸の作品の1つです。

大変な所

香川県は盆栽が有名です。県庁所在地は「高松」と「松」が入っています。つまり、松が有名……逆に言うと、松くらいしか育たないというか……..。そもそも、うどんが作られるようになった一要因として、米が育たないというか……..。

何が言いたいかというと、香川県は水がほとんどないのです。もちろん、海の水はあります。しかし、人間が飲んだり、穀物や植物に与える真水がありません。そのため古くから香川県では、ため池という文化が発達してきました。人口的に掘った穴に雨水を貯水して、干ばつに備えるのです。

現在、香川県民が飲む水は、お隣にある徳島県からのいただきものです。そのため水道料金が高く、いまだに県民にとって水は貴重です。

私は田んぼや畑の脇を散歩しているとき、何度も見かけました。おじいさんとおばあさんが、水路の水をひしゃくですくって、穀物に与えている姿を。つまり水道水を使いたくないのでしょう(水路の水は、ため池に溜めた雨水)。

夏の香川県は、はっきり言って地獄でした(県民のみなさんごめんなさい)。樹がまったくといって良いほど存在しないので、日陰がありません。樹が根に溜める水もないので、空気は乾いています。吹きつける風はむっとして熱く、息をするのが苦しいほど。旅行するなら個人的に、夏以外がお勧めです。

屋島

右手に見える屋根型の島が屋島。高松港にて。
右手に見える屋根型の島が屋島。高松港にて。

屋島といえば、源平合戦の名逸話、「扇の的」です。屋島の戦いの休戦中、夕刻になると、平氏の小舟に若い女房が現れました。女房は竿の先に扇を立て、「この的を射てみよ」と平氏を挑発します。射なければ面目がたたぬと思った源義経は、弓の名手を探します。そこで指名されたのが、下野国(現在の栃木県)の武将、那須与一(なすのよいち)でした。

果たして、那須与一は扇の的を射ることに成功しました。その見事な腕前に、平氏は船端を叩いて感嘆したと言われます。現在、香川県のマンホールには「扇の的」の場面が採用されています。香川県に行く際には、ぜひマンホールの絵を見てみてください。

屋島寺に鎮座する狸さん。ジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』で登場する四国の狸さんのモデル。
屋島寺に鎮座する狸さん。ジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』で登場する四国の狸さんのモデル。

さて、屋島は「島」なのですが、現在では本土と道路で結ばれ、車で行き来できるようになっています。そのため車さえあれば、手軽な観光スポットと言えます。頂上には屋島寺と展望台があります。さらには水族館まであるため、県民のデートスポットとして人気だとか。

展望台からの眺め。天気がよければもっと美しいです。
展望台からの眺め。天気がよければもっと美しいです。
高松港側の景色。
高松港側の景色。

この日は霧がかっていて、遠くまでは見渡せませんでしたが、それでも美しい景色でした。今度は天気が良い日に行ってみたいです。ちなみに「樹がない」と冒頭で文句を言いましたが、屋島にはたくさんあります。樹に囲まれた、じめじめした涼しい感じ、久ぶりの感覚でした。

おわりに

今回は香川県の概要と屋島についてでした。次回は「こんぴらさん」の愛称で親しまれる、金毘羅宮について紹介できればと思います。それではまた。

◎Twitterで更新情報をお知らせします。よろしければフォローお願いします。

Abraham Ortelius 《プレスター・ジョンの王国》1573年おすすめファンタジー好きが喜ぶ小説前のページ

ぶらり金毘羅宮【香川県2020-②】次のページ鳥居。この辺りは樹があって涼しい。

関連記事

  1. 嫁ヶ島を手前に

    松江【鳥取/島根旅行2022-④】

    はじめに前回は島根県の足立美術館と玉造温泉へ行った話をしまし…

  2. ドゥブロヴニク1日目【クロアチア一人旅⑤】

    はじめに前回はディオクレティアヌス帝が隠居生活を送った宮殿都…

  3. 円形神殿。柱はイオニア式

    ミュンヘン【ドイツ2019-⑦】

    はじめに ドイツ旅行7日目の行程は、終日ミュンヘン観光です。…

  4. 稲佐の浜にある鳥居

    出雲大社【鳥取/島根旅行2022-⑤】

    はじめに前回は松江を観光した話をしました。今回はいよいよ旅の…

  5. 玉藻公園と五色台へ【香川県2022/4-④】

    はじめに前回の記事では、直島へ行き、地中美術館や現代アートを…

  6. 瀬戸大橋

    高松へ【香川県2022/4-①】

    はじめに2年前の夏に香川県の旅行記を書きましたが、今月、長い…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

  1. 歴史

    西洋の蹄鉄にまつわる小話
  2. 遠くへ行きたいなあと思いながら描いた色鉛筆画

    エッセイ

    ファンタジー小説に愛好家が少ないのはなぜ?
  3. エッセイ

    昔、人は「今日」の日付をどのように認知したか (2)
  4. イスファハーンのモスク内部

    日常

    小説投稿サイトを使ってみたよ
  5. 嫁ヶ島を手前に

    松江【鳥取/島根旅行2022-④】
PAGE TOP