Xの運用は、長いあいだ手探りでした。試してみて、うまくいかなかったり、たまたま伸びたり。その繰り返しです。
ただ、続けているうちに「どういう投稿が人の目に止まりやすいのか」が、少しずつ見えてきました。この記事では、ブログ運営者としてXをどのように位置づけ、どのように付き合っていくか、その考えを整理しています。
なぜX運用について書こうと思ったのか
テキスト型SNSであるXは、主要SNSの中でも、文章表現と相性のいいツールです。そのため、ブログを始めるときには、Xのアカウントもあわせて作るべきだ、という話をよく聞きます。
そのようなわけで私自身も、このブログを開設して半年後の2019年から、Xのブログ用アカウントを持っています。このアカウントを積極的に運用しはじめたのが、2024年6月のことで、その頃から、気づけばフォロワーも1000人から1万人を越えるところまで増えました。
アカウントを積極的に運用しはじめてから、Xの運用方法について、何度も、ほんとうに何度も悩みました。精神が消耗され、もういっそ運用をやめてしまいたい、と思ったことも一度や二度ではありません。しかし、このブログの運営や関連活動は、自分の好きなことをかけた挑戦であり、そう簡単に諦められるものではありません。
最近になってやっと、Xとの付き合い方の「コツ」のようなものが分かってきました。このタイミングで思考を整理することは、のちの自分のためになると思い、記事にすることにしました。
結論としては、ブログ運営におけるXは「記事へ読者を導く導線」として位置づけ、無理のない形で継続するのが最も現実的だと感じています。
SNSの登場以来、ネット記事に対する流入経路は、「SNS流入※」の割合が無視できないほど大きくなっているからです。つまり、多くの人に自分の記事を読んでもらうためには、ネット上に記事を公開するのみならず、SNS(とくにX)でも記事を投稿していくことが、不可欠な時代になっていると言えます。
※SNS流入とは:SNS上に投稿された記事をクリックして、ユーザーが記事を訪問すること。一方で、Googleやヤフーなどの検索エンジンから検索して、ユーザーが記事を訪問することは「自然検索流入」と呼ぶ。
X運用で最初にぶつかった問題
前提として、この記事でいう「X運用」とは、記事そのものの投稿(記事の紹介文+記事URL)の話ではなく、ブログの更新を楽しみにしてくれる人(=ブログのファン)を増やすことを目的とした、一連の運用の話です。
なぜなら、SNSでは「一瞬の」掴みと理解が大事にされるからです。言い換えると、思考処理に時間がかかる、記事そのものの投稿は、基本的に伸びません。「URLをクリックする」という行為そのものが「一瞬」では終わらないからです。もちろん、他にも色々と理由がありますが、一言で説明するなら、これがいちばん核心だと思います。
よって、ブログ運営者によるX運用で大切なのは、記事に関連する内容を、Xに最適化した形で、日ごろから定期的に発信することです。そうすることで、フォロワーさんから「この人の書いた記事なら、時間をかけても読んでみたい!」と思ってもらうことができ、「記事」の投稿をしたときに、多くの方に読んでいただける結果につながりやすくなります。
投稿叩きがこわい
X運用に力を入れはじめてから、すぐに直面した問題は、心ない人からの投稿叩きです。
運用を探り探りだった最初のころに、投稿がプチ炎上したことがありました。そのときの攻撃的なリプライと引用コメントと言ったら、人間の醜い心がいっせいに集まったような、地獄絵図でした。そのような状況は、運営する私にとってはもちろん、醜いコメントが目に入ってしまうフォロワーさんにとっても、精神衛生上、よくないです。
そこで、以下二つの対策を取ることにしました。
- 叩くきっかけを極力つくらない
- フォロワーでない人からの通知をオフにする
なんといっても①が最重要です。炎上しそうな内容を避けることはもちろん、できるだけ客観的かつ、中立的かつ、冷静な物言いを心がけ、心ない人を近づかせないことが肝要です。
②は、自分のストレス軽減にとても役立ちます。なぜなら、投稿叩きをする人はほぼ100%、非フォロワーの人だからです。通知をオフにしていれば、醜いコメントがあったとしても、気づかないので、何もなかったことと同じになります。
とはいえ、①の対策をしていれば、基本的には平和で勉強になる、ありがたいコメントのみいただけます。
毎日投稿するのは大変
X運用に力を入れはじめてから、次に直面した問題は、毎日投稿するのは大変、という点です。
運用に力を入れはじめてから、3カ月間くらいは、毎日、なにかしらの情報を発信していました。時間が取れる日に、数日分の投稿をまとめてつくっておき、それを順次投稿していく、というスタイルです。
しかし、常にネタを考えなければならないため、日常生活をX中心に回さなければならず、疲れてしまいました。加えて、私の活動の軸は、ブログ記事であって、Xではないです。つまりX運用のために、記事の更新がおろそかになってしまっては、本末転倒だと思いました。
その後、自分に合った投稿頻度を模索してからは、週1~2回の発信で運用しています。
時間をかけすぎてしまう
X運用に力を入れはじめてから、3つ目に直面した問題は、投稿作成に時間をかけすぎてしまう点です。
投稿の頻度を週1~2回に減らした弊害として、一回一回の投稿の重みが増しました。というのも、仮にそのとき作成している投稿がうまくいかなかった場合、次に投稿するのは一週間後になってしまいます。つまり一回の投稿に一週間分の投稿価値がかかっているので、毎回なるべく完璧に仕上げたくなってしまうのです。
しかし下書きの段階で、良い状態に仕上がったという感覚を得ても、実際の投稿で伸び悩むことは多いです。そのような場合には、時間をかけた分、ショックも大きく、精神が消耗します。
そこで、以下のように考えることにしました。
- Xの投稿結果は、外部要因(※)にも大きく左右される。いくら自分がベストを尽くしても、伸びないときには伸びないので、時間をかけるだけ無駄である。
※アルゴリズムの急な変更、そのときのニュース、トレンドなど。ひとことでまとめると「運」。 - 同じ時間をかけるなら、Xよりもブログ記事に時間をかけたほうがよい。なぜなら、Xは一過性の情報で終わるが、ブログ記事は検索によって長期間にわたり人に見てもらえ、「信用」という大きな資産の蓄積になるからだ。
その上で、投稿作成にかける時間に、制限を設けることをしました。毎週、その時間内に終えることを目指し、最終的には70%の完成度でOK、ということにしています。
X運用を続けて分かってきたこと
難しい局面があった一方で、Xの運用をするなかで、分かってきたこともあります。以下に、具体例をまじえて紹介します。
文字量をできるだけ少なくすること
分かってきたこと一つ目は、画像に記載する文字量は、少なければ少ないほどよい、という点です。
現在運用している投稿シリーズの一つが、あるテーマに沿った3つの情報を、1枚の画像内に並べて提示するものです(3項式のまとめ画像)。具体例は以下の通りです。
改善前:文字量が多い

改善後:文字量が少ない

画像を見ていただければ分かる通り、改善前の画像は、文字量が非常に多いです。
じつは、この文字量の多いスタイルを、よかれと思って一年間くらい運用していました。自分は文章を読むのが苦でないタイプの人間なので、画像の中身が濃いほど、読者にとって有益だろう、と考えていたのです。
しかしある時、X向けのまとめ画像は、文字量が少ないほどよい、という情報を得ました。そこで、改善後のように、一項あたりの文字量を減らしました。すると、改善前より投稿が伸びるようになりました。
最初は半信半疑でしたし、「昔から投稿を楽しんでくれている方にとっては、物足りないのではないか?」という不安が、根強くありました。
しかし、情報を減らしたことで、短時間で読みやすくなったのは事実です。そもそも、本を開くときと違って、「よし、読むぞ!」という意気込みでXを開く人はいません。よってXで提示する情報は、基本的には気軽であればあるほどよいはずです。
また、文字量を減らしたことで、書かれていない文脈の余白を、想像したり、自分で調べたりすることもできるようになりました。そのため、文章が得意な人にとっても、解釈の幅が広がって楽しいかも、と思うようになりました。
画像映えしないからこそ、画像を整えること
分かってきたこと二つ目は、画像映えしないコンテンツだからこそ、画像整形が鍵になる点です。
SNSでは、基本的には画像映えするコンテンツが強いです。なぜなら視覚情報は、SNSの基本である「一瞬の」掴みに長けているからです。
画像映えするコンテンツの代表例は「絵」です。じっさいX上では、自分で描いた絵や漫画をアップして、評価されているクリエイターの方がたくさんいます。
ところが私の場合は、文章が軸のコンテンツなので、メインは文章です。また、画像を使うにしても、テーマが「歴史文化」系なので、かなり地味な画像になることは必至です。
しかし最近、素材そのものは映えなくても、画像全体が「整って」さえいれば、かなり美しく、惹かれるビジュアルになることが分かってきました。具体例として、素材そのものと、整形後の画像を以下にのせます。
改善前:素材そのもの

改善後:素材を整形した画像。

上記はどちらも全く同じ素材、つまり「写本作業をしている男性」の絵を使用しています。しかし、改善前の画像と、改善後の画像を比べると、後者のほうが見やすく、整っていて、惹かれることが分かります。
小さな違いに見えるかもしれませんが、SNSのタイムラインでは、無意識の「一瞬」で投稿を見るか見ないか判断されます。そのため、画像全体が整って見えることは、目を留めてもらうための大きな要素となりえます。
結局は、自分の強みを活かすこと
分かってきたこと三つ目は、結局は自分の強みを活かすのが近道、ということです。
SNSが世に浸透してから、すでに10年以上の月日が経っています。そのため、「伸びる投稿」のノウハウや知見は、ネット上にかなり溜まっていて、勝率の高いテーマや投稿構造を学ぶ方法は簡単です。すなわち、ビックデータを学習しているAIに尋ねればよいのです。
ところが、「伸びる投稿」の原則を学んだとしても、それを自分のブランドやコンテンツに、効果的に落とし込んで反映させることは、一筋縄ではいきません。少なくとも私は、それを長い間、試行錯誤しつづけています。
ここでは、最近自分が試した検証と学びを紹介します。
すでに紹介した通り、SNSでは「できるだけ文字量を少なくすること」が大事でしたね。そこで私は、「三項式のまとめ画像より、1テーマのまとめ画像のほうがよいのではないか?」と思い、それを検証してみることにしました。なぜなら、そのほうが文字量が少なくすむからです。
そのとき作ってみた画像が、以下の「花嫁は白ではない?」です。
いつもの回:三項式のまとめ画像

検証回:1テーマのまとめ画像

しかし投稿の結果は、いつもより伸び悩みました。
原因を考えたときに思ったのが、自分の強みは三項式のほうが発揮されるのだろう、ということでした。200記事記念で書いた通り、私は自分の強みに「複数の情報を整理して、独自性のあるテーマで再構築すること」があると考えています。つまり、多くの人が着目してこなかった「見方」を提供できる点に、強みがあります。
そして物事の「見方」を提供するには、1テーマ式より、三項式のほうがよいです。なぜなら、三項の情報を並べて、共通点や相違点を比較することができるからです。
たしかに一般的には、SNSで発信する情報は、文字量が少なければ少ないほどよいです。しかし今回の検証で、原則をそのまま踏襲するだけでは、うまくいかないことを学びました。大切なのは、自分の強みを軸に、最適な塩梅で「伸びる投稿」の原則をチューニングしていくことなのです。
ブログ運営者としてのXの役割
これまで、自身のX運用についての、試行錯誤のプロセスを紹介してきました。
Xについてはもう一年以上、試行錯誤を続けているので、あまり負担にならない運用方法をできつつあります。しかし、それでも労力が割かれる仕事であるのに変わりはなく、「自分のほかにSNS運用担当がいれば、自分は本来やりたい活動に注力できるのになあ」と、たびたび思っています。
なぜ、ここまでしてX運用に力を入れるのでしょうか。それにはもちろん、理由があります。
この記事の冒頭で、「ネット記事への流入経路として、SNS流入の割合が高くなっている」、「だからブログ運営者によるX運用の重要性が増している」と話しました。これはつまるところ、ブログに対する、SEO評価(=検索エンジンからのサイト評価)を高める施策です。サイト評価が高ければ、検索時に自身の記事が上位に表示され、サイトへの訪問者増加に、つながるからです。
しかし自分としては、「サイト訪問者が増えること」を最終目標にするのではなく、そのさらに先のことを目指しています。それは、「サイトをお仕事依頼への導線にしていただくこと」です。この場合の仕事とは、例えばご依頼ページに記載しているような内容のものです。
お仕事の依頼をいただくためには、ブログ記事の執筆・公開のみでは営業効力が弱いです。なぜなら、自分の扱うテーマがニッチなので、純粋なWeb検索のみで、このサイトの存在を認知する人は、そう多くないからです。
その点、Xでの投稿は、歴史文化に興味のある人に限らず、幅広い人に見ていただけます。したがって、Xでの投稿露出を高めることは、「中世ヨーロッパの道」というサイトの存在を、多くの人に認知してもらうことにつながり、将来的にお仕事をいただける機会につながる、と考えています。
とどのつまり、私がX運用を頑張るのは、自分が好きなことで生活していくためなのです。
いま自分が意識しているX運用ルール
いま意識している、Xの運用ルールは、2種類のシリーズを週次で発信していくことです。
一つ目は「道草」というシリーズ名の、中世ヨーロッパの生活文化を紹介する発信です。このシリーズでは、当時の名もない人びとの暮らしが、リアルな情景として立ち上がることを目指しています。物語のような語り口なので、「道しるべ」よりも気軽に楽しむことができます。
二つ目は「道しるべ」というシリーズ名の、あるテーマに即した「見方」を提供する発信です。具体的には、すでに紹介した、三項式のまとめ画像のシリーズです。いつも書いているような、ブログ記事に近い内容を持ち、「道草」よりも深い読み方ができます。
これら二つのシリーズを毎週発信していくことで、互いの投稿が強み・弱みを補完しあえると考えています。
SNSでこれから試してみたいこと
これから試してみたいことは、広く「SNS運用」という面で、ショート動画(TikTok)の発信です。
ショート動画の運用に向けて一時期、YouTubeも含めたいろんな動画を観て、他の発信者がどんな運用をしているのか、勉強していました。そして、もし自分がショート動画で発信するならこんな動画かな、という案をいくつか考え、実際に作ってみたりもしました。
しかし現状の優先度でいうと、ショート動画より、Xのほうが高いと考えています。なぜなら、「文章を読む」行為とX(=テキスト型SNS)の親和性が高いからです。つまり、Xで応援してくれている方たちは、ブログも読んでくれる可能性が高いです。ところが、ショート動画で応援してくれる方が、ブログも読んでくれるかというと、そうとは限らない場合が多いと思います。
また、今はXだけでも手一杯な面があり、もう一つ運用が増えるとなると、本業(ブログ執筆)ができなくなってしまう可能性が高いです。そのため現状は、X運用のみに注力していこうと考えています。とはいえ今後、時間が取れるようになったら、ショート動画の発信はぜひ試してみたいことです。
おわりに
今回は、X運用の試行錯誤で見えてきたことをまとめました。
SNSは、トレンド性が重視されるツールだからこそ、アップデートも頻繁に行われる媒体で、今日通用した投稿方法が、明日も通用するとは限りません。つまり、X運用には「正解」の終着点がなく、「正解」を求めようとすると、X運用以外のことができなくなってしまいまいます。
また、仮にX運用に多くの時間を割いてしまうと、うまくいかなかったときのショックが大きく、精神が消耗します。そして運の要素が大きいXでは、うまくいかないことは、頻繁に起こります。
したがって自分には、ブログを軸としながら、Xはブログへの「導線」として無理のない範囲でつづける、という運用スタイルが合っていると感じています。
これからもブログを中心としながら、Xとの距離を探っていきます。

